こんばんは、big5です。
今回は、秀吉は何故茶々を側室にしたのか?を考えてみました。
ドラマでは
「純粋に茶々が好きだった」
「不幸な生い立ちの茶々を幸せにしたかった」
と、わりと純粋な恋愛感情で側室にした、という描き方でしたね。
確かに、それもあるとは思うのですが、そこはやはり秀吉です。政治的な考えが無いはずがありません。そこで、改めて秀吉が茶々を側室にする目的を考えてみました。
まず重要なことは、この時点で織田家の直系である信忠の嫡男・三法師(のちの織田秀信)はまだ生きていたことです。
ドラマでもその存在は描かれませんでしたが、当時はまだ名目上、織田家は存続していました。もちろん、実質は秀吉の天下でした。しかし、豊臣家の力が衰えたとき、例えば秀吉が亡くなった後、秀吉から天下を継承する正当性を持った人物の一人として、織田秀信が出てくる可能性があったのではないでしょうか。
そこで考えたのが、茶々を側室にし、できることなら茶々に世継ぎを産ませること、なのではないかと思います。
茶々は、織田信長の妹・お市の方の長女であり、いわば織田家の血筋を直系ではありませんが引いています。この血筋がまたちょうどよいのです。信長の妹の娘を側室にすれば、豊臣家の相対的な位置関係は、織田家と同等あるいはそれ以上になります。実質的には、織田家は天下取りレースから転落しているので、いまさら豊臣家と競争することはできないのですが、豊臣家も秀吉の死により転落すると、前述したように織田秀信が出てくる可能性があるわけです。
そこで、茶々を側室とし、豊臣家が織田家の上にあるという意識を改めて強調したうえで、さらに茶々に世継ぎを産ませることができれば、秀吉の子であり、さらに織田家の血筋を引いているその子が、れっきとした秀吉の後継者として支持を得ることができる、となります。そうなれば、織田秀信が出てくる隙間などありません。
そう考えて、茶々を側室にしたのではないか、と思いました。
しかし、ドラマでも「豊臣政権崩壊の第一歩」と表現されましたが、結果的には茶々との縁組も豊臣家を存続させることはできず、むしろ世継ぎの体面にこだわりすぎて政権崩壊を早めてしまった、といえるのではないかと思います。